未来を養う:せいぼじゃぱんが温かいアフリカの心でマラウイの若者を支援する方法
- Shoji Hattori
- 2月19日
- 読了時間: 9分
せいぼじゃぱんは、世界中のお腹を空かせた子どもたちに温かい学校給食を提供することをミッションとしています。ギビングチューズデージャパンのチャリティ・スポットライトの一環として、この国際的な非営利団体がどのようにその目標に向かって尽力しているかをご紹介しました。
マラウイで学校給食を提供することに力を注いでいます。「アフリカの温かい心」として知られている国であり、マラウイは世界最貧国のひとつでもあります。また独自の課題に直面しています。
このブログでは、せいぼじゃぱんの始まり、なぜマラウイが活動の中心であるか、そして何千人もの子どもたちや若い家族に与える影響についてご紹介します。

せいぼじゃぱんの始まり
あらゆる慈善団体やビジネスには創業の歴史があります。せいぼじゃぱんとモベルコミュニケーションズの創設者であるトニー・スミスさんにとって、その物語はイギリスの田舎の農家から始まりました。学校の教師として働いた後、トニーさんは友人に誘われてボスニアの巡礼地メジュゴリェを訪れました。多忙なスケジュールにもかかわらず、トニーさんは思い切って出かけました。そこで彼は、スピリチュアルな目覚めに近いものを経験しました。メジュゴリェのクリゼヴァク山に登りながら、彼は自分の人生を振り返り、どうすればより世界に貢献できるのかを考えました。その結果、彼はビジネス手法を活用して慈善活動を実施する「ビジネスをすることによってチャリティを行う」というアイデアにたどり着きました。

この哲学が、彼の仕事の基礎となりました。事業を拡大する一方で、トニーさんはマラウイを訪れ、現地の女性たちに最も必要としているものは何か尋ねました。食べ物や住居といった答えを期待していましたが、「若者には仕事が必要だ」という答えが返ってきたので驚いたといいます。彼らの前向きな考え方は、彼の心に深く残りました。
そこで彼は、2007年にマラウイのブランタイア、チロモニにビーハイブ職業訓練センターを設立しました。このコミュニティ開発の拠点は、雇用創出、質の高い教育、最も弱い立場にある人々への支援を通じた貧困緩和に焦点を当てています。ビーハイブ・コンストラクションやビーテックなどの社会的企業は、レンタルやシェアエコノミーのビジネスモデルにおけるトニーさんのバックグラウンドを反映しています。
この基盤の上にトニーさんはクリゼヴァク・プロジェクトのもとで、いくつかの慈善事業を構築し、慈善事業を始めるきっかけとなったメジュゴリェの山の名前にちなんでこのプロジェクトが名づけられました。2011年から2015年まで、日本のNGOがマラウイで学校給食を支援していましたが、そのプロジェクトは2015年に終了しました。同じ年、壊滅的な洪水によって子どもの死亡率が上昇しました。トニーさんとビーハイブのスタッフそしてマラウイのイギリス人ボランティアの皆さんで、学校給食プロジェクトを開始し、これがせいぼマラウイの基盤となりました。
トニーさんは、マラウイと日本の取り組みをつなぐことで、両国に大きなプラスの変化をもたらすと信じ、2015年1月にせいぼジャパンを設立しました(後に正式なNPOとして登録)。

なぜマラウイなのか。
「アフリカの温かい心」と呼ばれているマラウイは、モザンビーク、ザンビア、そしてタンザニアと国境を接するアフリカ南東部の活気ある国です。マラウイは、広大な平原、なだらな高原、そして広大なマラウイ湖で知られていますが、国民の45%近くが15歳未満という非常に若い人口を抱えている国でもあります。人口は約2,110万人で2.6%の割合で増加しており、2050年には3,700万人を超えると予測されています(2023年、世界保健機関)。
![図1。州と県を示すマラウイの地図。入手先:https://www.researchgate.net/figure/Map-of-Malawi-showing-the-provinces-and-districts_fig1_241729515 [2025年2月15日にアクセス]](https://static.wixstatic.com/media/65b9a1_6f6608d6ea1845d185d8a7bbf4152b26~mv2.png/v1/fill/w_850,h_1156,al_c,q_90,enc_avif,quality_auto/65b9a1_6f6608d6ea1845d185d8a7bbf4152b26~mv2.png)
この人口増加は、潜在的な可能性を秘めていますが、マラウイは深刻な栄養問題に直面しています。国全体で子どもの37%が発育不全(年齢の割に低身長であったり、慢性的な栄養不足の兆候)を経験し、12%が年齢に比べて低体重(2015~2016年マラウイ人口保健調査、161ページ)であり、100人中39人の子どもが一生続く可能性のある認知・身体的制限のあるリスクにさらされています(2023年、人的資本国概要)。
せいぼじゃぱんは、子どもの教育には適切な栄養を摂ることが重要だと認識しています。栄養のある食事は、学習のためのエネルギーを提供するだけではなく、子どもたちが学校に通い、8年間の小学校教育を修了するための励みにもなります。せいぼじゃぱんは、栄養不良に取り組むことでマラウイの子どもたちが成長し、地域社会に貢献する機会を提供することを目指しています。

日本とマラウイ:距離を超えた絆
日本とマラウイは一見すると密接な関係には見えませんが、両国は重要な絆で結ばれています。2011年の東日本大震災後、岩手県遠野市が復興支援の一環としてマラウイに米粉を送りました。そのお返しとしてマラウイは日本に資金援助を行い、日本の外務省はこれを公式に認めました。現在、マラウイにはアフリカで最大規模のJICA(国際協力機構)からの日本人ボランティアが派遣されています。
せいぼジャパンは第二次世界大戦後を支え、日本の経済成長に貢献した世代を形成した国際食糧援助を彷彿とさせるような寄付文化を、日本に根付かせることを目指しています。

現在、せいぼじゃぱんは山田真人さんが理事長として率いており、日本の高校やインターナショナルスクールとの連携に力を入れています。これらの協力を通じて、せいぼは若い学生たちに世界の課題を認識し、行動を起こすきっかけになればと考えています。日本では、NPOや社会的影響を与える仕事に学生が従事することを奨励している30校の学校でパートナーシップがあり、さらに増え続けています。社会的影響のある活動の一例として、寄付型のコーヒー販売ブランド、「ウォームハーツコーヒークラブ」があり、マラウイ産のコーヒーを販売しその収益をマラウイの人々に還元しています。

マラウイの学校給食:その仕組み
せいぼは、1日に1万6000食の学校給食を提供しています。しかし、学校給食は実際どのようなものでしょうか。とうもろこしは、マラウイの主食であるため、せいぼはとうもろこしを原料とした粉末に砂糖をブレンドし、お粥として食べられるリクニパーラを提供しています。国連世界食糧計画が推奨している必須栄養素が含まれています。しかし、リクニパーラを遠隔地、特に山岳地帯に輸送することは、輸送費用が高く移動手段も限られているため、物流上の大きな課題だといえます。

せいぼマラウイのチームは、プログラムスーパーバイザーを務めるビクター・ムトゥロさん、コミュニケーション・オフィサーのフューチャー・ナマチャさん、ディレクターのさわこ・ネービンさんなどのスタッフとボランティアで構成されています。お粥を調理し、食料保管庫を管理し、子どもたちに食料を配給するために、地元のボランティアを訓練しています。お粥の調理には、レンガの壁に囲まれ燃焼効率を高めたロケットストーブを使用し、薪への依存を減らしています。
せいぼじゃぱんの影響:マラウイからの物語
せいぼじゃぱんは、ムジンバ地区(北部)のカゼンゴ小学校とセント・ポール小学校、ブランタイア地区(南部)のティブイラネ幼稚園とアガぺ保育園など、さまざまな地域の学校にサービスを提供しています。2024年11月現在、せいぼじゃぱんは、合計で337,297食もの食事を提供しています。
山田真人さんは生徒への影響を説明しています:多くの人が朝早く起きてから家事を済ませ、掘削孔から水を汲むために、長距離を歩きます。午前7時半には、学校に到着し、午前9時に朝食を摂る前に校庭を掃除します。栄養価の高い食事を摂ることで、授業に集中し、家に帰って家事をする前にネットボールなどの活動に参加することができます。
コロナのパンデミックの間、学校が早期に閉鎖されたため、子どもたちは家庭で調理するためにリクニパーラの袋を与えられました。地域によっては、地元の発電機が電気を供給してくれるところもありますが、電力不足のために午後6時で日常活動が停止してしまう地域もあります。
学校給食が与える影響は、計り知れません。ムジンバLEA小学校のSHN(School Health and Nutrition)の教師は、「多くの子どもたちにとって、学校給食は1日のうちでもっとも幸せな瞬間です。これらの食事は空腹を満たすだけでなく、生徒が授業に集中するのに役立ちます」と話しました。

せいぼの仕事は、人生を変えてきました。ムジンバにあるセント・ポール小学校の生徒の一人は、「この食事のおかげで、一番好きな教科、理科に集中できるようになりました」と話してくれました。また、以前は家事のために頻繁に学校を休んでいた別の若い仲間も、今では看護師になることを夢見ています。給食で元気をもらった生徒たちは、スポーツにも積極的に参加する機会があります。

シングルマザーのジュディスさんは、せいぼの支援に感謝の意を表しました:「せいぼのおかげで、私の子どもは学校に通い続けることができ、驚くほど成長しました。」
どうすれば参加することができますか。
せいぼじゃぱんは、「私たちは何を得るかで生計を立てますが、何を与えるかで生活をする」という信念のもと世界中の人をつなぎ、変化をもたらしています。教育への投資、革新的なビジネスと社会的企業モデルの開発、必要としている子どもたちへの食事の提供を通じて、せいぼは、前向きな変化が可能であることを示しています。
詳細や参加方法については、せいぼじゃぱんのWebサイトやソーシャルメディアをご覧ください。
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