地域の課題に取り組む:ウォームハーツコーヒークラブがマラウイのコミュニティを支援する方法
- Shoji Hattori
- 3月4日
- 読了時間: 11分
一杯のコーヒーを通じて、アフリカの温かい心により良い未来を創造する

一杯のコーヒーを飲んで、世界を変えたいと思ったことはありませんか。ウォームハーツコーヒークラブのコーヒーは、あなたに必要なローストです。ウォームハーツは、日本を拠点としている非営利のコーヒー会社で、
「アフリカの温かい心」とも呼ばれているマラウイで栽培されたコーヒーや紅茶を販売しています。
ウォームハーツは、NPO法人せいぼじゃぱんとパートナーであり、与える文化に感化されマラウイから直接、オーガニックやフェアトレードのコーヒーだけを提供することで、寄付の文化を鼓舞しています。ウォームハーツからコーヒーを購入すると、すべての収益がコーヒーが栽培されたコミュニティに還元されます。この循環システムは、コーヒーが好きな人たちが、自分が飲んでいるコーヒーがどこから来たのかを学び、その過程でコーヒー農家を支援し、淹れたてのコーヒーを通じて、マラウイの若者を育てるのに役立ちます。
今回のブログでは、NPO法人せいぼじゃぱんの理事長とウォームハーツコーヒーのマネージャーを務める山田真人さんに、このユニークなコーヒーブランドの誕生秘話やチャリティとビジネスを両立させるための舞台裏についてお話を伺いました。

せいぼじゃぱんの理事長とウォームハーツコーヒークラブのディレクターを務める山田真人さんのご紹介
英文学と神学の経歴を持つ真人さんは、電気通信会社モベルの創設者トニー・スミスさんと出会い、自分の人生の軌道が大きく変わると感じました。トニーさんは真人さんをマラウイへ招待しました。真人さんは、マラウイを訪れ、現地の人々の寛大さと創意工夫に驚きました。「世界を旅するだけではなく、世界を変える!」というモベルの理念に突き動かされました。真人さんはモベルの営業担当者として働き始め、この事業がせいぼじゃぱんの慈善活動とどのように結びついているのかを学びました。
現在は、モベルのパートナー慈善団体のひとつである、せいぼじゃぱんの理事長とウォームハーツコーヒークラブのディレクターを務め、マラウイの学校給食のための資金集めをしながら、その取り組みを広めることに注力しています。彼は一杯のコーヒーがマラウイの物語を伝える機会だと認識しており、マラウイの地域社会からより多くの感動的な物語を共有したいと考えています。

なぜコーヒーなのか。
世界では毎日10億杯以上のコーヒーが消費されており(ロジャース、2025年)、日本人でコーヒーが好きな人の4人のうち3人が少なくとも1日に一杯はコーヒーを飲んでいると推定されています(スタティスタ、2024年)。多くの人が日常的にコーヒーを飲んでいることを踏まえ、真人さんとせいぼじゃぱんのチームは考えました。そのシンプルな習慣がフェアトレードや環境の持続可能性、マラウイの子どもたちの未来を支えているとしたら。
マラウイのコーヒーを楽しめば楽しむほど、マラウイの人々や自然環境に興味を持つようになるだろうと彼は考えました。コーヒー生豆の輸入を専門とする東京のアタカ通商株式会社との提携により、マラウイのコーヒー生産者と日本市場を直接結ぶことができるようになりました。そして2018年4月に真人さんは、ウォームハーツコーヒークラブを始めました。

コーヒーに適したマラウイの気候
マラウイは、コーヒーの栽培に最適な亜熱帯気候で、アフリカ最古の茶樹がいくつかあります。コーヒーの木は、海抜1000メートルから始まる北部地域の山岳地帯などの標高が高い地域で栽培されることが多いです。ウォームハーツのミディアムダークローストコーヒーは、マラウイ北部の標高2000メートルの自然環境で栽培されています。
気候とともにマラウイの人々もとても温かいです。しかし、この国は大きな課題に直面しています。世界最貧国のひとつと考えられており、国民の45%近くが15歳未満であり、子どもの37%が発育不全(年齢の割に低身長で、慢性的な栄養不足の兆候)を経験しています(2015-2016年マラウイ人口保健調査、161ページ)。
アフリカサイをモチーフにしたウォームハーツコーヒークラブは、地球やコーヒーの栽培方法に関心を持ち、コーヒー農家さんと交流を深めたいという「温かい心」を持つ、コーヒーや紅茶が好きな人たちのコミュニティを作ることを目標としています。

マラウイコーヒーの特徴とは。
マラウイは、近隣諸国と比べてコーヒー栽培の歴史が浅く、その品質の高さで知られています。コーヒーは、1880年代に宣教師によってイギリス領マラウイに初めて持ち込まれました(スカフィーナ:マラウイn.d.)。マラウイの一般的なアラビカ種には、アガロ、ゲイシャ、カティモール、ムンドノーボ、カトゥーラなどがあり、コーヒー自体は滑らかでコクがあります。ウォームハーツマラウイコーヒーは、それ自体が高品質な製品としてだけではなく、この美しい国とその人々の物語を伝えるのにも役立っています。

ウォームハーツによるコーヒーと紅茶
ウォームハーツは、コーヒー豆のほかに、挽いたコーヒーを1パックずつドリップバッグに入れて販売しています。お試しセットは、AAランクの高品質マラウイコーヒー豆のミディアムローストとダークローストの両方をお試しいただけます。フルーティな香りと爽やかな味わいが特徴です。ミディアムローストは、ホットコーヒーに最適で、マラウイコーヒーダークローストは、細挽きなのでコールドブリューに最適です。また、より濃厚でコクのあるコーヒーを求める人にも適しています。
バタースコッチ、バニラ、ブラウンシュガーの風味が際立つマラウイのミスクヒルズのアラビカコーヒーなど、特定の小規模農家さんで生産されたコーヒーもあります。注文を受けたコーヒーは、東京のライブコーヒー株式会社が焙煎したばかりのコーヒーを梱包しますが、日本国内への配送に追加料金はかかりません。

ウォームハーツがマラウイのコミュニティに与えた影響
コーヒーの売り上げは、せいぼジャパンのチャリティ活動に寄付されます:マラウイの子どもたちに学校給食を提供しています。これはどのようなものでしょうか。ウォームハーツコーヒーは、一袋1000円で購入できます。マラウイでは、一食あたり15円なのでコーヒーを一袋購入するごとにマラウイの65人分の食事がまかなえることになります。 例えば、2,000円のマラウイコーヒーのドリップパックを購入すると、2,000円が寄付されマラウイの子どもたちに約130食分の学校給食が提供されます。
マラウイの小学校教育は無償ですが、約70%の世帯が農業に頼っており、多くの子どもたちが学校へ通う代わりに家族を助けています。学校給食プログラムは、子どもたちが授業へ出席するためのインセンティブを提供し、これらの優先順位を変えるのに役立ちます。
さらに、ウォームハーツコーヒークラブは販売だけではなく、運営費を負担するモベルコミュニケーションズを含む複数の企業から支援を受けています。企業とのコラボレーションにより、ウォームハーツは変化を推進し、持続させることができます。
ウォームハーツ製品を購入することは、コミュニティに直接影響を与えます。それは、朝のコーヒーを意識的に決めるのと同じくらい簡単です。一杯のコーヒーを楽しむだけで、変化を起こすことができます。

現場の人たちは、何と言っているのでしょうか。
ウォームハーツコーヒーは、子どもたちに良い影響を与えるだけでなく、フェアトレード認証を受けたサプライチェーンの一部として、コーヒーの栽培に携わる農家さんにも良い影響を与えます。
山田真人さんは、マラウイを訪れた際、多くの労働者にインタビューをし、彼らの体験を聞きました。ある従業員は、家族を養うために農業をしていると説明し、収穫期に茶葉を提供してから2週間後に確実に報酬を受け取れることを知っています。お茶の機械のメンテナンスを手伝っている別の従業員は、困っている若者に貢献することが大きな喜びのひとつだと言います。
真人さんのインタビューに答えてくれたのは、お茶の試飲の準備を手伝っている地域の責任者で、働く人を大切にする環境づくりが仕事のやりがいだと話してくれました。機械のメンテナンスを担当する技術者は、近くのセンターでお茶を試飲してもらうのが楽しみだと話しました。

コーヒー生産における環境への取り組みは何ですか。
せいぼとウォームハーツは、日本の企業と提携し、コーヒーの包装に使われるプラスチックの使用を最小限に抑えています。また、新宿こどもエコクラブなどの自治体と連携し、子どもたちの環境意識を高めるために、コーヒーかすをリサイクルしたワークショップを開催しています。この取り組みの結果、ウォームハーツは新宿区が主催する新宿エコワン・グランプリの大賞を受賞しました。
さらに、せいぼとウォームハーツは、大学のサスティナビリティプログラムと協力することで、マラウイコーヒーの栽培から販売までの過程が、最終的には生産地の子どもたちを支援することにつながることを強調しています。

日本の学校がどのように関わっているか
日本の学校は社会的影響力のある商品としてコーヒーの販売に協力し、それについての評判を広めることにより関与しています。学生が積極的にコーヒーの販売に参加することで、マラウイの背景やコーヒーの栽培方法また農業を学び、普段は気づかないまま飲んでいるコーヒーに新たな視点や意識を持ってもらうことが大切だと真人さんは、考えています。アタカ通商株式会社でインターンシップにより、ウォームハーツはフェアトレードの仕組みを教育プログラムにも取り入れています。
SDGsの影響を真に理解するためには、こうした現実を肌で感じるのが一番です。そのためせいぼは、マラウイへの旅行を奨励しており、参加者は日本では得られない視点を得ることができます。マラウイ駐在している日本人教師や現地スタッフと協力することで、せいぼはエコツーリズムや現地の環境問題とのつながりを強化することを目指しています。
動画出典:ウォームハーツコーヒークラブ
与える文化:せいぼじゃぱんとウォームハーツ
2018年にせいぼジャパンのスタッフがマラウイを訪問し、フェアトレードコーヒーの生産と自然農法の視察をしました。彼らは、その過程を記録し幼稚園から大学までの日本の学校で共有することで、マラウイのコーヒー産業の認識を広め、教育プログラムに取り入れました。コーヒーの売り上げは、学校給食プログラムに直接寄付されるため、ウォームハーツは「貧困削減」や「すべての人に質の高い教育を」といったSDGsの目標も支援しています。

飲み物を超えて:ウォームハーツの支援方法
企業や団体はSDGsやCSR(企業の社会的責任)の取り組みにウォームハーツを取り入れることができます。次回、ブランドギフトを準備するときは、ウォームハーツと協力して自分だけのコーヒーパックを作ることができます。例えば、上智大学は以前、ウォームハーツと共同で100周年記念ロゴマークを作成しました。
ウォームハーツコーヒーが好きな人は、月額2,200円からコーヒーの定期購入ができ、コーヒーを持続的に飲み続けることで好影響を与えることもできます。

ウォームハーツコーヒークラブと山田真人さんからのメッセージ
「コーヒーは単なる飲み物ではなく、マラウイの未来の生命線でもあります。コーヒーを通じて、マラウイの現実を知り、持続可能への関心を深め、いつかマラウイを訪れてみたいと思っていただければ幸いです。」
最後に、せいぼじゃぱんとウォームハーツコーヒークラブは、コーヒーが好きな人や支援者がマラウイを訪れ、異文化間のつながりや新たな視点を育むことができる世界を心に描いています。一杯のマラウイコーヒーは、心を温め、幼い子どもたちを支援し、地域社会に好影響を与える可能性を秘めています。次回、コーヒーをお探しの方は、ウォームハーツコーヒークラブからの購入をご検討ください。
詳しくはリンク先をご覧ください:

ソース:
Rodgers, E. (2025, February 25). Coffee Statistics: Consumption, Preferences, & Spending. Drive Research. https://www.driveresearch.com/market-research-company-blog/coffee-survey/
Statista. (2024, May 30). Coffee consumption frequency in Japan 2023. https://www.statista.com/statistics/1175530/japan-coffee-consumption-frequency/#:~:text=Around%20three%20in%20four%20Japanese,two%20cups%20of%20coffee%20daily.
Sucafina: Malawi. (n.d.). https://sucafina.com/na/origins/malawi#:~:text=History%20of%20Coffee,quite%20took%20off%20in%20Malawi.
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